「フェリックスの手紙」アネッテ・ランゲン著,ドロープ・コンスタンツァ絵
はじめに
私が小学校の頃に良く読んでいた絵本の話を少しだけ書こうと思います。
それを思いたった切欠が2つほどありまして、一つ目は下書きばかりが溜まっていく*1現状を改善しようというちょっとした足掻きですが、2つ目は真っ当な理由です。
ちゃんとオチもつきます。
2つ目の理由
先日、近場の古本市に出かけたところ、偶然にも冒頭に触れた絵本の続編を手に入れることが出来ました。以前、同じシリーズを読んでから15年は経っていたと思われる中での出会いでしたので、価格もお手頃だったこともあり、購入に踏み切りました。
どのような絵本かというと、少女とウサギにまつわるお話です。
あらすじの紹介
小学校に通う少女は、周囲の子供達と少し馴染めずにいて、ちょっとしたことで軽い言い争いが起きてしまいます。そのことを、いつもお気に入りの茶色いウサギのぬいぐるみに向かって話すのです。名前はフェリックスと言います。
一見すると、ただのぬいぐるみですが、彼はぬいぐるみにしては珍しく、行動力がある方だったので、少女の眠っている間に様々な場所へと冒険に出かけます。
北極や、アフリカ、中南米、大都会のニューヨーク、カンガルーのいるオーストラリアにだって、自分の足で出かけて行きます。
道中で見た景色、人々との交流や驚いたことなど、旅の先々から少女に向けて、フェリックスは手紙を送ります。
少女は、もちろんフェリックスがいなくて寂しさを感じていますが、彼から届く手紙を今か今かと楽しみに待ちながら、ぬいぐるみのいない日々を過ごします。
それは彼女だけではなく、読者である私も同じです。
そして、彼の手紙は、絵本を通して、私たちの元へも届くのです。
フェリックスは何を見て、何を聞いて、何を感じたのでしょうか。
手紙を開くその時まで、彼女にも、私にもわかりません。
物語が終わりに向かうにつれて、
少女の元に無事に戻ってくることが出来るのかは勿論ですが、
毎回変わった方法で帰ろうとする不思議なぬいぐるみが、
今度はどうやって戻ってくるだろう、
そういったことを考えることも読み続けていくうちに、
一つの楽しみになっていきます。
彼の手紙によって、少女が少しずつ周囲に馴染む様子も心を穏やかにしてくれます。
絵本のタイトルは『フェリックスの手紙』と言います。
興味があれば、読んでみてくださいな。
肝要なところ
さて肝心のオチですが、
古本という性質上、帯がなかったり、少し破れていたり欠けていたり、汚れていたり、そういったことも珍しくありません。
この本の特徴は、フェリックスの「手紙」にあるのですが、本に付いているはずの「手紙」が全て欠けていたのです。
イチゴのないショートケーキを食べた様な、満たされなさを味わってしまいました。
ちょっとしたトリップに陥っていたので、確認を怠ったのが敗着ですね。
たとえ、懐かしい本に出会えた興奮の最中にいても、
次回は中身を確認することを忘れずにいようと思います。
- 作者: アネッテ・ランゲン,コンスタンツァ・ドロープ,栗栖カイ
- 出版社/メーカー: ブロンズ新社
- 発売日: 1994/09
- メディア: 大型本
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***2017/02 統一性を保たせる為、ブログタイトルを変更しました。
*1:現在、公開分と同数の下書き記事がストックされています。