Sam's

読書記録、ギフテッド/2EやACに関して。

読書リスト<2016.01-2017.02.28>

Create:2017/02/11

Last Update:2017/02/28

[絵本]カテゴリを追加。数冊*追加。

リンクを選択すると当ブログ内のレビューに飛びます。

 

(同一作者による出版物は纏めて記述。/以降に分類表記)
大崎清夏 「指差すことが出来ない」青土社
岡本啓  「グラフィティ」思潮社
荻野なつみ「遠葬」思潮社
オノツバサ「やさしく象にふまれたい」七月堂
カニエナハ「用意された食卓」青土社
紺野とも 「海峡よ おやすみなさい」港の人
最果タヒ 「グッド・モーニング」思潮社
     「死んでしまう系の僕らに」青土社
     「夜空はいつでも最高密度の青色だ」リトルモア
     「星が獣になる季節」/小説
     「君の言い訳は最高の芸術」河出書房新社/エッセイ
谷川俊太郎「トロムソコラージュ」
     「62のソネット+36」
     「あたしとあなた」
     「詩を書くということ 日常と宇宙と」PHP/エッセイ
     「ひとり暮らし」/エッセイ
     「谷川俊太郎の問う言葉 答える言葉」イースト・プレス/エッセイ?
西澤紫織 「永遠(ながい)ストップモーション」
平田俊子 「詩七日」
     「詩、ってなに?」/一般書

エミリー・R・グロッショルツ「Childhood こどもの時間」クルミド出版

連詩 地形と気象」暁方ミセイ,菅啓次郎,大崎清夏,石田瑞穂,ジェフリー・ジョンソン,左右社

小説

今村夏子 「あひる」書肆侃侃房 (ショシカンカンボウ)
小池真理子「愛するということ」Kindle
筒井康隆 「文学部唯野教授岩波現代文庫
中村文則 「去年の冬、君と別れ」幻冬舎文庫
原田マハ 「星がひとつ欲しいとの祈り」
三秋縋  「3日間の幸福」MW文庫
     「スターティング・オーヴァー」MW文庫
     「いたいのいたいの、とんでゆけ」MW文庫
     「恋する寄生虫」MW文庫
     「僕が電話をかけていた場所」MW文庫
     「君が電話をかけていた場所」MW文庫
宮木あや子「官能と少女」ハヤカワ文庫
宮下奈都 「窓の向こうのガーシュウィン集英社文庫
レイ・ブラッドベリ「歌おう、感電するほどの喜びを!新版」ハヤカワ文庫

絵本

「二番目の悪者」林 木林/作,庄野ナホコ/絵,小さい書房

学術・一般

「14歳からの哲学」小池晶子
「心理学」有斐閣
「ベーシック現代心理学 教育心理学」子安増生,田中俊也,南風原朝和,伊東裕司,有斐閣
「よくわかる臨床心理学」
社会心理学講義」小坂井敏晶
「心はどのように遺伝するか 双生児が語る新しい遺伝観」安藤寿康,講談社/双生児研究の第一人者の著作
「自由からの逃走」エーリヒ・フロム

「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」イルセ・サン

「教育学入門 30のテーマで学ぶ」岡田昭人,ミネルヴァ出版
「キーワード 現代教育学」田中智志,今井康雄,東京大学出版会
「教育の歴史」ジャン・ヴィアル,文庫クセジュ
「大学の歴史」クリストフ・シャルル,ジャック・ヴェルジェ,文庫クセジュ
「大学の理念」カール・ヤスパース
「脱学校化の社会」イヴァン・イリイチ
「被抑圧者の教育」パウロフレイレ
「デモクラティック・スクール 力のある学校とは何か」マイケル・W・アップル,ジェームズ・A・ビーン,澤田稔訳,SUP上智大学出版
「高校生の進路的選択と時間的展望」都築学,ナカニシヤ出版
「なぜ人類のIQは上がり続けているのか?」ジェームス・R・フリン
「才能を開花させる子供たち」エレン・ウィナー,片山陽子訳,NHK出版
「アメリカギフテッド教育最先端に学ぶ 才能の見つけ方 天才の育て方」石角友愛,文藝春秋
エニアグラム あなたを知る9つのタイプ」ドン・リチャード・リソ,ラス・ハドソン,角川書店
「ストレングス・ファインダー」

*「不就学のすすめ」ポール・グッドマン,片岡徳雄監訳,福村出版

*「知能心理学」ジャン・ピアジェ,

*「認知的個性 違いが活きる学びと支援」松村暢隆,石川裕之,佐野亮子,小倉正義編,新曜社

*「ギフテッド 天才の育て方」杉山登志郎,岡南,小倉正義

*「モダンガールのススメ」淺井カヨ,原書房

*「天才と発達障害 映像思考のガウディと相貌失認のルイス・キャロル」岡南,講談社

*「自殺の危険」高橋祥友,金剛出版

*「「古典」を失った大学 近代性の危機と教養の行方」藤本夕衣,NTT出版

*

新書など

「情緒と日本人」岡潔   
「ものぐさ精神分析岸田秀  
 「異文化受容のパラドックス」小坂井敏晶
「人が人を裁くということ」小坂井敏晶
「非社交的社交性」中島義道 
「カイン 自分の弱さに悩む君へ」中島義道 
「生きにくい… 私は哲学病」中島義道 
「働くことがイヤな人のための本」中島義道 
「<子ども>のための哲学」永井均講談社現代新書
「はじめて考えるときのように」野矢茂樹,Kindle/PHP文庫
「哲学な日々 考えさせない時代に抗して」野矢茂樹,Kindle/講談社文庫
「若者よ怒れ!これが君たちの希望の道だ」ステファン・エセル,エドガー・モラン,明石書店

*「チョムスキー 民意と人権を語る」ノーム・チョムスキー,

*「フランス現代史 英雄の時代から保革共存へ」渡邉啓貴,中公新書

コミック

全てKindleで購入

相田裕    「1518!」
       「GUNSLINGER GIRL
赤坂アカ   「さよならピアノソナタ杉井光原作
       「かぐや様は告らせたい
       「instant bullet」
石田スイ   「東京喰種」
       「東京喰種 Re;」
石塚千尋   「ふらいんぐうぃっち
井上純一   「中国嫁日記
岩代俊明   「PSYREN-サイレン-」
植芝理一   「謎の彼女X
衛藤ヒロユキ 「魔法陣グルグル2」
江尻立真   「World_4u」
       「P2!」
えすのサカエ 「未来日記
       「未来日記リダイヤル」
大久保圭   「アルテ」
大森倖三   「機動戦士ガンダムUC バンデシネ福井晴敏(ストーリー)
小川麻衣子  「ひとりぼっちの地球侵略」
鏡貴也    「終わりのセラフ山本ヤマト
カザマアヤミ 「せなかぐらし」
       「はつきあい
       「星をふたりで」
       「恋愛3次元デビュー -30歳オタク漫画家結婚への道-」
       「嫁いでもオタクです。」
春日ゆら   「先生と僕」(夏目漱石とその周囲について)
小林キナ   「ななしのアステリズム」
桐島たける  「MELTY BLOOD
雲田はるこ  「昭和元禄、落語心中」
CLAMP    「HOLiC 戻」
       「ツバサ ニライカナイ編」
こげどんぼ  「ヨメさんは萌え漫画家
       「ママさんは萌え漫画家」
       「旦那さんは幹部候補生」
さかめがね  「憂鬱くんとサキュバスちゃん」
流石景    「ドメスティックな彼女
佐原ミズ   「ほしのこえ
       「神様のジョーカー」
       「夜(いつや)さん」
       「鉄楽レトラ」
曽田正人   「昴」
       「MOON」
       「め組の大吾
       「テンプリズム」
高橋慶太郎  「ヨルムンガンド
高津カリノ  「working!」
       「working! re:order」
       「Web版working!」
高野真之   「BLOOD ALONE
高浜寛    「四谷区花園町」
       「ニュクスの角灯」
玉置勉強   「親父の愛人と暮らす俺」
つづ井    「腐女子のつづ井さん」
テルミン   「役職ディストピアリ」千賀文貴原作
冬目景    「イエスタデイをうたって
       「マホロミ」
       「羊のうた
       「僕らの変拍子
       「LUNO
       「空中庭園の人々」
仲谷鳰    「やがて君になる bloom into you.」
       「エクレア」
永田カビ   「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」
       「一人交換日記」
ながべ    「とつくにの少女」
二駅ずい   「彼女はろくろ首」
猫分儀スミレ 「アリス・シャーロック ルビー色の星雲」
野田洋    「惑星9の休日」
       「夜とコンクリート
葉月抹茶   「一週間フレンズ」
ハルミチヒロ 「夜をとめないで」
       「スロー・スターター」
平野耕太   「ドリフターズ
日当貼    「ODETTE」
松本嵩春   「AGHARTA(アガルタ)」
ムサヲ    「恋と嘘」
村山渉    「それでも僕らはヤってない」
模造クリスタル「ビーンク&ロサ」
森薫     「乙嫁語り
       「シャーリー」
       「エマ」
ヤマザキコレ 「魔法使いの嫁
米代恭    「あげくの果てのカノン」
渡辺葵    「プリンセスメゾン

*奥たまむし  「明るい記憶喪失」



アナログからの転写。未記述あり。
2.28迄に購入済の書籍に限って記録。

「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」イルセ・サン

 

HSPとは? 

HSP = High Sensitive Person

"刺激に敏感な人"または"感受性の高い人"の総称としてエレイン・アーロンによって考案されました。HSPは5人に1人、あるいは15~20%の割合で存在すると考えられています*1

HSPは環境による影響を受けやすく、適切な環境下ではHSPでない人よりも高いパフォーマンスを発揮すること*2、共感性を司る脳領域が非HSPの人々に比べて活発であること*3、この性質は幼少時より変化しないことが、それぞれの研究によって明らかにされています*4

 

HSPの下位分類

HSPには内向的/外向的な及び、HSS/非HSSといった下位分類が存在します。

ここで、注意するべきは、HSPが"感受性の高い/刺激に敏感な人"の総称であって、"内向的な人"の総称ではないことです。

 内向的なHSPが7割を占めているのに対し、外向的なHSPは3割となっています。内向的とは、"人間存在の内面について興味を持っている"ことを指しており、自身のみならず、他人の内面世界にも興味を持つ人々のことです。外向的に関しては、本書内に記述はありませんが、他人との関わりによって活力を得る人たちのことだと思われます。

 HSSとは"High Sensitive Seeking"の略称で、"刺激を求める人々"を意味します。これは、HSPにとっては厄介な性質で、HSSの性質によって自ら疲弊する環境に積極的に参加しようとします。根本的原因は、反復的行動に対する反動では無いかと思われます。

 

HSPの7つの特徴

イルセ氏によると、HSPには以下の7つの特徴が認められることが多いようです。

1.情報吸収力の高さ

2.音や匂いに敏感

3.深く多面的な思考

4.危機管理能力の高さ

5.共感性の高さ

6.誠実かつ責任感が強い

7.想像力の豊かさ

 これらの特徴は感受性の高さに由来していて、情報吸収力/想像力/ 音・匂いに対しての敏感性が齎され、多面的思考へと繋がっていくと思われます。

 誠実性の高さについては、どのような経緯なのか疑問でしたが、本書では

HSPにはごく幼い自分から、不穏な空気を敏感に感じ取り、どうにか苦心してきた人が多いようです。

HSPは不穏な空気を感じ取ると、責任を取らなくてはならないと思い、すぐにどうにかしようと頑張りすぎてしまいます。

 との記述がありました。

 つまりは、他人が未だ感じていない不穏な雰囲気、もしくはその兆候を先んじて感じとってしまう彼らは、自ら率先して改善しようと努力するようです。HSPの危機管理能力はこのようにして育まれていくとみられます。

 これついては、HSP自身を防衛する機能も含まれているように思われます。他人の負の感情にも同調しやすい彼らは、それを回避する為に状況の改善に走るのではないでしょうか。

 そして、HSPにおける誠実性は他者及び自身に対する不快感を回避するための能力であると考えます。

その他の内容

本書では以下のような内容も書かれています。

HSPの抱える問題と解決策

 1.自分自身への高度な要求

 2.罪悪感と羞恥心

 3.恐怖心からの憂鬱

 4.怒りの表出が上手くできない

怒りの放出に関しては、「相手を叱る」のでも「自分を責める」なく、中間の策を講じるようにと、あります。「自身の気分を害した」と相手を叱るのではなく、「自分は傷きやすいのだ」と自分を責めるのでもなく、「自身について言及すること」がそれにあたります。

自分自身には、私は何を望んでいるのかということ

相手に対しては、私に何を望んでいるのかということ

これらを聞くことで、HSPの共感性を活かした策を取ろうということです。

 

「鈍感な人」との付き合い方

 自身がHSPであることを周囲に伝えることをはじめとして、非HSPの人々と付き合うための方法が書かれています。

 

自身が興味を持ったのは、対話に関する項目です。これは、一方的な会話を、互いの反応を意識することで、対話へと発展させようという試みで、夫婦や恋人同士のセラピーに用いられている方法のようです。

会話に関しての反応を「受容」「共感」「影響」「展開」「理解」の5つに分類することで、自身/相手の会話に関して、適切な反応を返してもらう/返そうとします。

展開について取り上げると、これは相手の話の内容について、詳しく話すことを求める、または質問をすることになります。但し、相手の会話を遮ることが無いように、予め(途中で質問していいか、等)質問のタイミングを伺っておく必要があります。

 

この他には、

 ・自身の対応出来る限界点を定め、それを知らせること

 ・疲弊状態に陥る前に適度な休憩を挟むこと

 ・表面的な会話と深い会話の時間を分けて取ること

 ・HSPの理解者をパートナーにする

といった内容が代表的なものですが、周囲に知らせることで理解を得るのは難しいと思いますので、適度な休憩や、会話種別を区切ることなど、自身でコントロール出来ることから始めていくことが肝要です。また、子育てに関しても言及されています。

 

HSPな自分との付き合い方

自分自身への理解を中心とした関わり方を取り上げています。

HSPの能力への理解、及び過剰な刺激に対する対応策、自己肯定を強く持つこと、心理セラピーを受けることなどが主に挙げられています。

 

後記

自分との付き合い方に関しては、ほぼ未記述ですが、その他の項目に関しては記述済みなので、公開することにします。

HSPという概念を知る手助けになれば光栄です。

初投稿なので勝手が掴めませんが、とりあえずは目次の重要さを学びました。

*1:HSPの比率に関しては、その判別方法が自己申告制であること、質問内容が曖昧なことから疑問視されているが、著者はユングの提唱する”内向的な人”の割合からも大きく乖離した数ではないと考えている。

*2:[Boyce他,1995]によって、非HSPの人々に比べて環境への適応性が良くも悪くも高いことが報告されている。不適切な環境にある際も、彼らの健康状態は、その他の人々よりも、悪化してしまう。

*3:考案者であるエレイン・アーロン自身によって、HSPの人々の共感性を司っている脳領域(ミラーニューロンを含む)が、それ以外の人々に比べて活発であることが確認されている。[Aron Elaine,Brain and Behaivor,2014]

*4:心理学者ジェローム・ケーガンによって生後4ヶ月の赤ん坊500人を対象とした調査が行われた。この研究は2,4,7,11歳の時に改めて追跡調査が行われており、その際にも同様の反応を示したことが報告されている。